たまねぎのかほり

たまねぎのかほり

学生のときの夏休みに四国八十八箇所を巡拝したおはなし

役に立たない お 遍路 ガイド ③-2 ピークをむかえる体で挑むハードル

どうも

パン屋のです。

 

アクシデント続きな朝を迎えた2日目

平穏な午後を過ごすことは出来るのでしょうか?

 体はピーク

f:id:ha-ppp-y:20180729224057j:plain

十番札所切幡寺でのオッチャンの件でモヤモヤ感がハンパないサトシですが、

それよりなにより、足が、足が痛いんです。

痛くて 痛くて もう 歩きたくないんです。

とはいえ”怪我をしたり、お腹の調子が悪くなったら帰る。”

”足の痛みは怪我に含まれませ~ん”

っていう自分ルールには従順な謎のこだわりを持って、

ゆっくりながら、次のお寺へと進むのでした。

 

そして吉野川に差し掛かり川面をみていると

 

”あ~飛び込みたいなぁ 

気持ちいいんだろな~

涼しいんだろな~”

 

と妄想にふけながら、

状況はなかなかの川幅な吉野川の橋の上を炎天下のなか、

痛い足を引きずりながら歩いているという現実に引き戻されるのでした。

それでもなんとか吉野川の橋を渡りきり堤防をみてみると

水もまあまあ綺麗そうで、なんとか水辺まで降りることができそうだったので、

堤防を降りていき、靴を脱いで足を冷やすことにした。

 

”あ~ 気持ちいい~ し・あ・わ・せ 幸せ ちゃうわ~”って

一人ボケ一人ツッコミをしたかどうかは覚えていませんが、

しばらく、川に足を浸して休憩をすることに。

 

情報収集

f:id:ha-ppp-y:20180729224113j:plain

足は冷たくって気持ちいが、ほかは炎天下にさらされ

”暑いな~ 気持ちいな~ 行こうかな~ もうちょっといようかな~”

っと自問自答していると、昨日お寺で写真を撮ったオバサン3人組が歩いてきた。

「あっ 昨日のお兄ちゃん、大丈夫?足を冷やしるの?

でも、冷やすとかえってホテって熱持つよ~」っていうアドバイス

お~ マジか~と撤退しあるき始めることにした。

そこから、オバサン3人組と一緒に歩くことに、

その人達はサトシに比べるとスムーズに道を間違わずに進むので、

なんでだろと思っていると、どうやら歩き遍路用の地図というものがあり、

それを頼りに歩いているとのことだった。

一方、サトシはというと地理の授業で使うような1/250000スケールの

A1用紙に四国が納まっているような、

車移動でも不便なのではという地図を頼りに歩いていたのだった。

そりゃ、しょっちゅう道を間違えるわけだ。

そして ”次にこの地図を見つけたら絶対に買うぞっ”と

すこしづつ賢くなっていきながら道を進んでいくと、

駄菓子屋さんを発見。

するとオバサンの一人がアイスをおごってあげっるってことで、

甘えることにした。このときのアイスは

ボキャブラリーがないゆえにお伝え出来ない事を恨みたいくらい、

美味しかったんです。

そんな事をしている間に十一番札所藤井寺に到着。

やっぱり一人より二人 二人より大人数のほうがいいです。

 

十二番札所焼山寺へはの道のりは遍路道の山道では一番長く

難所としても1・2を争うということだった。

また、夕方にはマムシが出やすく所要時間は平均6時間という事ということもあり、

オバサン3人組は今日はココまでで宿に泊まるということだったので、

お別れしサトシは一人お寺に留まったのでした。

知らなかったら、そのまま一人で山に入っていたなと、

若干の怖さを感じサトシも今日はココまでとし、

このお寺で野宿しようと足を冷やしながら時間を潰していた。

するとそこへ今朝 八番札所熊谷寺で会った二人組のお遍路さんがやってきた。

どうやらこの人達は今から十二番札所焼山寺経向けて山へ入るということだった。

そして少し話をしていると今からだったら

どうにか今日中に着くことが出来そうだから一緒にどうですかと

誘って下さったので、サトシも同行することに。

 

「遍路ころがし」というハードル

f:id:ha-ppp-y:20180729224142j:plain

焼山寺への遍路道は「遍路ころがし」とも言われているようで、

それはそれは想像の何倍も上回る難所の山道でした。

2時間くらい歩いても、まだ道のりの半分にも満たないですが、

その時点で山深いところまで来ているため、

離脱して一人野宿が出来るような状況でもなさそうだった。

もう体は限界だったが声を掛け合いながら3人でペースを合わせながら

歩みを進めていった。少し山が開けたところで休憩したり、

道のりが緩やかな箇所では話をすることも出来た。

話している内容はたわいもない事だったけど、

とても大切な時間だったように感じられた。

とはいえ元々足の調子が悪い状況での入山、

何度も離脱して一人野宿しようかと思ったが、

 

「がんばれ。もう少しだ。」

 

と何度も励まされながら、十二番札所焼山寺へ到着することができた。

そして着いてすぐに完全に日が落ち、サトシは倒れ込み

しばらくの間 動くことができなかった。

体が少し落ち着付き順番に お寺の水場で水浴びをし

一緒に歩いた一人の方が持っていた1本のビールを3人で分けて飲んだ。

そのぬるいビールは今まで飲んだ中で一番美味しいものだった。

一人の方は、自転車で一度 八十八箇所を周りきった事があるらしく、

今回は歩きでの挑戦とのこと。

それでいろいろとその時の経験を教えてもらった。

  • 駐車場など目に付きやすいところでの野宿は危険。※暴走族に囲まれたそうです。
  • 無料で遍路を宿泊させている人がいること。
  • 八十八箇所巡礼の際は朱印を集めながら周っているということ。
  • 同行二人という言葉
  • お大師さんに会ったという人に会ったということ
  • リュックに紐付き洗濯バサミをつけて洗濯物は乾かす

普通は入念に調べて来るだろうから、これくらいのことは知っているのかもですが、

サトシは全くなにも調べずに来たので、どれも大事な情報としてメモるのでした。

 

そして夜露で濡れることもあるので、雨が降らない時でも軒下で野宿したほうが良い

ということもお聞きし、3人で軒下で野宿することに。

疲労のせいか、1人ではない安心のせいか3日ぶりに熟睡することが出来た。