たまねぎのかほり

たまねぎのかほり

学生のときの夏休みに四国八十八箇所を巡拝したおはなし

役に立たない お 遍路 ガイド ③ アクシデントに次ぐアクシデント これも一期一会?

どうも

パン屋のです。

 

ノープランの勢いだけで四国の徳島まできたサトシ

初日からヘトヘトになっていますが、歩き続けることができるのでしょうか?

 

グダグダなスタート

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お守りがわりに借りたチカちゃんのGショックでアラームを設定しての起床。

まだ暗いお寺の境内で顔を洗い身支度をして

昨夜はお参りしていなかったので、七番札所十楽寺を参拝。

足は痛いし、一歩も動きたく状態だけど

 

気合だっ!

気合だっ!

気合だっ!

 

と自分を鼓舞してあるき始めることに。

サトシはそんなに体育会系でも気合で乗り切るタイプではないんですがね。

 

しばらく歩みを進めていると、時間の感覚がおかしくなっているように感じた。

「あれっ まだ真っ暗。」

いつまで立っても日が昇らない。

もう一度時計を確認すると午前4時にすらなっていなかった。

ヘトヘトなのと借り物だからなのか設定時間を間違い、午前3時起床だったらしい。

夜の田舎道は車道とはいえ進むのは怖かったので、

街灯下の座れそうな所で 日の出 まで仮眠をとることに。

 

アクシデントに次ぐアクシデント

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空が白んできたので、もう一度

 

気合だっ!

気合だっ!

気合だっ!

 

ってしません。そんなに元気じゃないです。

そして本日のリスタート!

またまた、しばらく歩みを進めていると、

なにか嫌な感じが・・・

 

「ワン ワン ワン ワン ワン・・・ 」

 

「やっ やばい」

 

サトシは大の犬嫌いだったのだが、子犬だったことと

逃げると追いかけられるという認識だけはあったので、

やむを得ずしばらく遊んだあと、じゃれつきも治まったので歩き始めることに。

 

子犬×2匹を 引き連れて歩くことになったサトシ

またまたまたまた、しばらく歩みを進めていると、

なにか嫌な感じが・・・

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「ヴ~ ワ゛ン ワ゛ン ワ゛ン ワ゛ン」

 

「やっ やばい」

 

「うわ 今度は、マジヤバイ、デカイ犬×3匹やん!」

 

おともの子犬×2匹はなんの役にも立たずサトシのおともを離脱し、

デカイ犬×3匹をどうイナしたのか記憶にもありませんが、

無事だったことだけは確認が取れています。安心してください。

(しかし、こんなに都度都度イベント起こらなくていいんだけどな~)

 

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足が痛くて、実は一歩も歩きたくない状況ながら、

なんとか八番札所熊谷寺に到着。階段ばかりの参道を上がっていくと途中に

多宝塔があり、その近くでお遍路さんが2人パンを食べていた。

どうやら、昨夜はココで野宿したようだ。

「おはようございま~す」と挨拶しながら

”しかし、お腹すいたな~ 俺もパンくいて~な~”って

心のつぶやきが心に留まっていたかはさておき、

お参りをして次のお寺へ

 

これも一期一会?

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十番札所切幡寺が近くにあるな~って雰囲気になり

少し気持ちが緩んでいたところに

服はボロボロ 歯もボロボロ 眼つきも悪く充血していて

近寄りたくないな~っていうオッチャン発見

そうこうしていると目があってしまった。

”う~わ 絶対関わったらあかん人やん

どうしよっ

いやいや、偏見の目でみたらあかん

遍路みちの人とはすれ違ったら大体挨拶してんねんから

ちゃんと挨拶せな”と思い。

そのオッチャンに

「おはようございます」と声を掛けると

挨拶が返ってくるんじゃなくって呼び止められた。

”うわ~やっぱり、やばいやつやん。”そう思いながら近づくと。

なんか出足から説教じみた人生論を聞かされた挙げ句

「兄ちゃん、パンかなんか持っていないか?」ってそれか!

”僕もほしいですけど”って思いながら。

「持ってないです。」って答えると。

「¥300-くれないか?」って、軽いカツアゲに合うサトシ

オッチャンの風貌から憐れみを感じたのか、なんとも言えない感情をいだきながら

財布を見ると小銭は¥500-しか入っていなかった。

しかたなく、それを手渡し

「お元気で。」的な事を言って、

その場を去ったが、なんとも複雑な気分だった。

後日ですが、一緒になったお遍路さんと話をする機会があり、

このオッチャンらしき人に物乞いをされたという事だった。

なんだか悲しい気持ちになり、もうしないで欲しいなと思うしかできなかった。

 

今思うとこの人はこの時点で、

こういう方法でしか生きていく方法を持つことが出来なかったんだなと、

そういう事として受け入れるしかないんだなと、やはり複雑な気持ちになります。

人一人が生きていく上で与えられた環境や、その人が歩んだ道のりって

実際にはどこまで選択肢があって、

タラレバに過ぎませんが、

そうじゃなかった状況にすることが出来たのかな?と考え。

また、自分がそういった悪循環にハマらないようには

どうしたらいいのかなって考えることがあります。

そういった意味では、この時お会いしたオッチャンも僕にとっては

大切な存在なのかもしれませんね。